間隔を空けつつ、久しぶりの伝統芸を楽しむ観客たち。吉蔵さんの舞踊では長唄が響き渡った(27日午後4時43分、京都市東山区・円山公園音楽堂)

間隔を空けつつ、久しぶりの伝統芸を楽しむ観客たち。吉蔵さんの舞踊では長唄が響き渡った(27日午後4時43分、京都市東山区・円山公園音楽堂)

 コロナ禍で劇場での通常公演が難しい中、能狂言や日本舞踊、落語など京都在住の伝統芸の担い手が円山公園音楽堂(京都市東山区)の野外舞台で、それぞれの芸を見せる特別イベントが27日開かれた。題して「WE’RE BACK KYOTO(京都よ、私たちは舞台に帰ってきたぞ)」―。

 2500人入れる客席に、距離を保って観客は約200人に限定。久々の舞台に野外の開放的な雰囲気が加わり、演者も観客も喜び感のある公演となった。

 舞台再開への祝いを込め、能楽金剛流若宗家の金剛龍謹(たつのり)さん(32)らによる翁の素謡「神歌」で幕開け。日舞若柳流五世宗家家元の若柳吉蔵さん(50)は三番叟(さんばそう)を基にした長唄舞踊を披露し、拍手を集めた。

 催しを主催した狂言の茂山千五郎家は「鶏聟(にわとりむこ)」「仁王」「蝸牛(かぎゅう)」という三演目を披露。狂言師が笑顔一杯に名乗りを上げると、和やかな笑いが起き、手拍子が広がる場面もあった。落語は桂米二さん(62)が「時うどん」、桂よね吉さん(48)が「七段目」を語った。

 3時間超の公演の結びに千五郎さん(47)は「ようやく芸能を再開できるようになった。ガイドラインを守りつつ、できる限り舞台をしていきたい」と意欲を語った。