御土居展で紹介されている人形の頭部などの出土品(京都市上京区・市考古資料館)

御土居展で紹介されている人形の頭部などの出土品(京都市上京区・市考古資料館)

 豊臣秀吉が築き、京都を土塁と堀で囲った「御土居(おどい)」の企画展が、京都市上京区の市考古資料館で開かれている。洛中と洛外を分けた境目で見つかる遺構や遺物のほか当時の絵図などを通して、平安京から大きく姿を変えた近世京都の都市像や暮らしの一端を明らかにしている。

 御土居は1591年に着手して約3カ月で完成したとされ、当初の総延長は22・5キロに及び、現在も一部が残る。関連の発掘調査で南区の八条通―九条通で見つかり、2018年度に市有形文化財になった出土品477点を中心に展示する。

 発掘調査の写真や成果を並べ、おおむね土塁が基底部で幅20メートル、高さ4~5メートル、堀が幅20メートル、深さ2~3メートルに達するなど都市の転換点になった秀吉の京都改造を説明。後世の江戸時代の絵図もあり、御土居が少しずつ切り崩され、民有地化する流れも分かる。

 出土品は国内では少ないアルファベット表記を含む荷札の木簡や文楽人形の当初の姿を思わせる人形の頭部を紹介。往来の激しい京の境目に当たり、欧州の宣教師やキリシタン、人形を作る工人ら多様な人が暮らしていた可能性を示唆する。

 展示は11月24日まで。関連で10月19日に「御土居からあらわれた木簡」、11月9日に「出土資料からみた京都の紡織」と題したミニ講演を午後2時から館内で開く。入場、講演は無料。月曜休館だが祝日の場合は翌日休館。