会見で謝罪する滋賀県立総合病院の一山病院長(中央)ら=大津市・滋賀県庁

会見で謝罪する滋賀県立総合病院の一山病院長(中央)ら=大津市・滋賀県庁

 滋賀県立総合病院(滋賀県守山市)は2日、男性患者3人のがんの疑いを指摘したコンピューター断層撮影(CT)の報告を、それぞれの主治医が見落とし、このうち県内の男性1人=当時80代=が約3年半後の今年4月、肝臓がんで死亡したと発表した。一山智病院長は、見落としによる治療の遅れを認めた上で、「患者さま、ご家族に心からお詫び申し上げる」と謝罪した。

 男性の遺族は取材に対し、「謝罪はあったが言い訳が多く、誠意は全く感じられない」と語った。

 同病院によると、死亡した男性は2015年9月、泌尿器科の術前検査で心電図に異常が見つかり、CT検査を受けた。放射線診断医による画像診断報告書には「肝臓がんの疑いがある」旨が記されていたが、主治医の循環器内科医は見ていなかった。男性が18年に再入院した際にこの報告書の存在が分かったが、肝臓がんは進行しており、この4月に死亡したという。

 会見した一山病院長は、主治医が報告書を見なかった理由は、専門外の部位の異常への注意を怠ったためなどとし、「見落としで手術機会を逸したのは重大なミス。15年のCT検査直後に腫瘍を切除していれば、亡くなることはなかったかもしれない」などと述べた。男性の遺族には経緯を説明した上で謝罪した。

 また、15年と17年、50代男性と70代男性の画像診断報告書に、それぞれがんの疑いが記載されていたにも関わらず、血液・腫瘍内科医や整形外科医が失念したり、見落としたりし、詳しい検査をしなかったという。2人は現在、同病院で治療中で、一山病院長は「患者さまについては治療に万全を尽くす」とした。