アマビエを描いた扇子を手に、飛沫感染防止を意識したエチケットを提案する大西さん(京都市中京区・大西京扇堂)

アマビエを描いた扇子を手に、飛沫感染防止を意識したエチケットを提案する大西さん(京都市中京区・大西京扇堂)

 扇を広げて口元を涼しげに覆う、扇子を使った飛沫(ひまつ)感染防止のエチケットを、京都市中京区の京扇子製造販売の老舗が提案している。マスクの着けっぱなしに疲れた時や、フェースガードが似つかわしくないような場面で活用でき、会員制交流サイト(SNS)では「雅(みやび)な感染防止」「平安時代みたい」などと反響を呼んでいる。

 天保年間創業の大西京扇堂(三条通河原町西入ル)が提案している。6月初めに来店して扇子を買い求めた初老の男性が「友人との食事会に、フェースガードを着けるわけにもいかない。しゃべるときに顔を隠そうと思って」と、店員に話したのがヒントになった。
 話を聞いた社長の大西将太さん(34)が「扇子の使い方の一つとして、広く提案できるのではないか」と、店のツイッターにつぶやき、実際に扇子で顔を隠してみた画像もアップした。すると「古典文学の宮中のようで雅!」「まねしてみよう」など、好意的な反応が寄せられた。来店客にも提案している。
 新型コロナの影響で同店の今年の売り上げは、昨年の2割程度だが、「悲観していても仕方ない」と、疫病よけの妖怪・アマビエをデザインした扇子の販売を企画した。3千円と2200円の2種類がネット通販で早々に完売し、追加生産するほど人気を集めた。
 夏場は長時間のマスク着用が熱中症のリスクを高めることが懸念されている。大西さんは「扇子なら夏に持ち歩いてもらいやすい。扇子が見直されるきっかけになれば」と話している。