学会に出席するために京都を訪れた際、伏見稲荷大社を観光するセメンザ氏(9月27日、京都市伏見区)=原田教授提供

学会に出席するために京都を訪れた際、伏見稲荷大社を観光するセメンザ氏(9月27日、京都市伏見区)=原田教授提供

 今回のノーベル医学生理学賞の受賞者は京都大の研究者たちとも縁が深く、中でもセメンザ氏やケリン氏と親交を重ねてきた研究者から祝福の声があがった。


 セメンザ氏の共同研究者である京大生命科学研究科の原田浩教授は「生物が低酸素状態になった時にどう適応するのかという基本的な原理を明らかにし、低酸素が関わるがんや腎臓病などのさまざまな病態の治療につながる礎を築いた」と意義を強調する。
 9月下旬には京都市で開かれた「日本癌(がん)学会学術総会」に参加するため来日し、学会や京大などで講演。伏見稲荷大社や三十三間堂など観光名所も訪れていた。
 原田教授は、来日したセメンザ氏が科学を志す若者に贈った言葉が印象深いという。「科学は真実、科学は美、科学は神聖」で、原田教授は「セメンザ先生の研究姿勢が表れている。この分野は発展途上なのでリーダーとしてけん引してほしい」と今後の活躍を期待する。
 2001~03年と09~11年に米・ハーバード大でケリン氏の研究室に留学した京大医学研究科の中村英二郎准教授は「実験結果を再現できるか、多方面から徹底的に検証する厳しさがあった。論文に掲載される分の5倍は実験した」と振り返る。
 一方、研究室を離れると人情深かったという。中村准教授が留学中の01年には米同時多発テロが起き、中村さんの家族は渡米できず、クリスマスを1人で過ごすことになった。するとケリン氏から「さみしいだろう。うちに来たら」と自宅に誘われた。「いろいろな話をし、この先生のところに来られて良かったと思った。優しい先生です」と語った。