滋賀県警の滝澤依子本部長(2020年1月)

滋賀県警の滝澤依子本部長(2020年1月)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で患者を死亡させたとして滋賀県警に逮捕され、殺人罪で懲役12年の判決を受けて服役した元看護助手西山美香さん(40)=彦根市=が3月に再審で無罪判決(確定)を受けたことについて、県警の滝澤依子本部長は29日の県議会本会議で、「西山さんに大きな負担をかけ、大変申し訳なかった」と述べ、謝罪した。県警が西山さんに謝罪の意を示したのは初めて。

 滝澤本部長は答弁で「再審公判で無罪判決が言い渡されたことは重く受け止めている」と発言。「確定審と再審公判で証拠の評価が異なったものの、無罪となり、請求人である西山さんに結果として大きな負担をかけ、そういう意味で大変申し訳ない気持ちであり、心中をお察しすると言葉もない」と述べた。

 滝澤本部長は4月と5月の県警の定例会見で、「無罪判決については真摯(しんし)に受け止め、今後の捜査に生かしたい」などと述べるにとどめ、西山さんや県民らから批判が出ていた。

 滋賀県警は、東近江市の湖東記念病院で2003年5月、人工呼吸器を外して入院中の男性患者=当時72歳=を殺害したと自白したとして、西山さんを04年7月に殺人容疑で逮捕した。西山さんは公判で無罪を主張したが、懲役12年の判決が確定し、17年8月まで服役した。今年3月、裁判のやり直しをする再審で、大津地裁は「事件性は認められず、自白の信用性に重大な疑義があり、任意性にも疑いがある」と西山さんに無罪を言い渡し、そもそも殺人事件ではなかった可能性が極めて高いとして、捜査のあり方を厳しく批判していた。