水没していた外来種のカメを捕獲するわな。浮き輪となる管と、カメをおびき寄せる日光浴スペースの木板が破損している(3月29日撮影、京都市伏見区)=府保健環境研究所提供

水没していた外来種のカメを捕獲するわな。浮き輪となる管と、カメをおびき寄せる日光浴スペースの木板が破損している(3月29日撮影、京都市伏見区)=府保健環境研究所提供

 淀城跡公園(京都市伏見区)の堀で、ハスを外来種のカメの食害から守るために設置したわなが、相次いで壊された。今年はハスが水面の一部を覆うほどに成長し、地元住民らの活動が実を結びつつあっただけに、「被害が続けば再び消失しかねない」と危機感を募らせている。

 同公園のハスは1980年代末に石垣改修工事の影響で激減。地元の淀観光協会が植栽を進めて復活に取り組んだが、2010年ごろから再び減少し、一部を残して姿を消した。府保健環境研究所が北米原産のミシシッピアカミミガメによる食害の可能性を指摘し、協会を中心に17年から堀にわなを設け、捕獲を進めてきた。

 昨年までの3年間で約300匹を捕獲した結果、今年からハスが繁茂し始めた。宇治市植物公園から譲渡された固有種「淀姫」約20株も昨夏から花を咲かせるなど、かつて初夏の風物詩となっていた風景を取り戻しつつあった。

 しかし、今年3月、日光浴をするカメの習性を利用し、水面に浮かべて捕獲するわな2基を再設置したところ、数日後、1基は浮輪の役割を果たす管が破損して水没、もう1基もカメをおびき寄せる日光浴スペースの木材が破断しているのが見つかった。わなの中からは石が見つかっており、何者かがわなに向かって投げたとみられるという。

 現在は新型コロナウイルスの影響で会員らが集まれず、わなの補修や再設置ができない状態だ。協会の藤田佳則会長(70)は「ハスの繁殖を妨げる意図はないと思うが…。本当に残念だ」と声を落とす。夏以降、わなを再度設置するイベントを企画したいといい、「『淀姫』も含め、多くの人々に楽しんでもらえる場所にしていきたい」と意気込む。