金閣寺の発掘調査で見つかった北山大塔の相輪の破片(京都市上京区・市考古資料館)

金閣寺の発掘調査で見つかった北山大塔の相輪の破片(京都市上京区・市考古資料館)

【資料写真】金閣寺(2018年12月)

【資料写真】金閣寺(2018年12月)

 京都市北区の金閣寺(鹿苑寺)が同寺の境内において、室町時代に足利義満が建立した七重塔「北山大塔」の基壇があったと推定される場所で違法な開発行為を行ったとして、市埋蔵文化財研究所の研究員東洋一さん(64)が29日、同寺に是正を命じるよう文化庁に申し出を行った。

 北山大塔は、現在の金閣寺にあたる北山殿で1404年に着工され、義満の死後、1416年の落雷で焼失したとの記録が残る。2015年には頂部分を飾る「相輪」とみられる破片が同寺の発掘調査で見つかっている。
 京都市内で会見した東さんによると、金閣寺は16年に参拝者の仮設通路を造るにあたり、市埋文研に依頼して遺構調査を実施した。計画地には北山大塔の基壇である可能性が指摘されていた盛り土があり、調査では「何らかの建物基壇であると考えられるが、大重量を支える基壇とは考えにくく、北山大塔があったかは今後の検証が必要」との結果になった。その後、文化庁の許可を得て着工したが、盛り土の一部を削るなど文化財保護法に違反した開発が行われたと訴える。この他にも無許可で石垣や園路、広場を整備したと主張している。
 東さんは「寺は観光客を優先して文化財保護を軽視した開発をし、厳しく対処するはずの京都市や文化庁が事実上、黙認、放置している」と指摘し、適切な保全措置が取られなかったと批判。金閣寺は「申出書の内容を把握しておらずコメントできない」としている。