苦渋の切断売却、くじで大事件に 当時の資料も展示

佐竹本の絵巻切断を発案した益田鈍翁(写真提供「鈍翁in西海子」)
佐竹本の絵巻切断を発案した益田鈍翁(写真提供「鈍翁in西海子」)

 佐竹家からいったんは別の実業家が入手したものの、第1次世界大戦後の経済的混乱のなか、売却を余儀なくされる。旧三井物産社長を務めるなど財界の重鎮として知られた益田鈍翁は、知り合いのつてをたどって、財界や古美術商らに共同購入を持ちかけた。
 東京品川の鈍翁の邸宅「応挙館」=写真(下)=に集まり、くじ引きで購入者が決まる事態は、新聞各社が報道する「事件」となった。京都新聞の前身の一つ「日出新聞」は「古画の行方 遂に分(わか)たれし信実三十六歌仙」の見出しで、各歌仙絵の値段や入手者を詳細に報じた。
 本展ではくじに使われた花入や、応挙館の障壁画の一部、共同購入者に送られた招待状など事件を見届けた品々も展示される。

東京品川の鈍翁の邸宅「応挙館」

【会期】10月12日(土)~11月24日(日)。月曜休館(10月14日、11月4日は開館、翌日休館)
【開館時間】午前9時半~午後6時、金・土曜は午後8時まで(入館は各30分前まで)
【会場】京都国立博物館・平成知新館(京都市東山区茶屋町)
【主催】京都国立博物館、京都新聞、日本経済新聞社、NHK京都放送局、NHKプラネット近畿
【入場料】一般1600円(1400円)、大学生1200円(1000円)、高校生700円(500円)。障害者手帳提示の人と付き添い1人まで、中学生以下は無料 ※かっこ内は前売りと20人以上の団体
【特別講演会】11月4日午後2時~同3時=「巡る美 変わる美-流転する日本文化」彬子女王 平成知新館、先着180人(午前11時から同館で整理券配布)、無料(本展観覧券が必要)
【講演会】いずれも午後1時半~同3時、平成知新館にて、先着200人(午前11時から同館で整理券配布)、無料(本展観覧券必要)。
 ・10月13日=「冷泉家の歴史と文化-冷泉流歌道をめぐって」冷泉為人氏(冷泉家時雨亭文庫理事長)
 ・同19日=「歌仙絵の成立と展開-佐竹本への道のり」土屋貴裕氏(東京国立博物館主任研究員)
 ・11月2日=「歌仙絵の最高峰-佐竹本三十六歌仙絵の表現と情緒」井並林太郎氏(京都国立博物館研究員)
 ・同16日=「佐竹本三十六歌仙絵への想い」降矢哲男氏(同)
【問い合わせ】京都国立博物館075(525)2473