世界的な猛威が収まる兆しはみえない。

 新型コロナウイルスの感染者が世界全体で1千万人を突破した。米国の大学の集計で、感染による死者も50万人を超えた。

 最初の感染者が中国で報告されてからわずか半年。三大感染症のうち年間最多の結核の発症数に肩を並べ、マラリアの死者数を上回る。人類の新たな脅威といえる。

 恐ろしいのは、パンデミック(世界的大流行)が加速していることだ。感染者は5月中旬まで100万人増えるのに12~13日要したが、同下旬からペースを速めて直近は6日で積み上がっている。

 「世界は危険な新局面に入った」。世界保健機関(WHO)は警鐘を鳴らしている。どうコロナ禍拡大に歯止めをかけ、感染リスクとの共存に向き合っていくか。途上国支援を含め、世界的な視野で知恵と力を集めねばならない。

 感染拡大の中心地が米大陸だ。世界最多の米国、2位のブラジルはじめ米大陸の国々で全世界の新たな感染者の約6割、死者の約7割を占める。中南米の不十分な医療体制に加え、各国で進む経済活動の制限緩和の影響が否めない。

 米国では、外出規制などで一時減ったが、6月から制限解除で再び増え、直近の1日当たり新規感染者は最多を連日更新している。

 早期に規制を緩和した南部や西部の州で増加が目立ち、少なくとも11州が、バー営業を停止するなど、緩和計画の中止や規制再強化に踏み切ったという。感染防止より経済回復を大統領が熱心に進めた米国やブラジルでの感染再燃は、政治判断の責任の重さを物語っていよう。「他山の石」としなければならない。

 「第1波は越えた」として欧州連合(EU)は、夏休みの観光誘客に向け、域外十数カ国からの渡航制限を解除する方向だ。日本もベトナムに続き、タイなど3カ国と渡航緩和を協議している。警戒の緩みがあってはならない。

 国内では東京都内の新規感染者が連日60人前後に上り、緊急事態宣言解除後の最多水準が続く。「夜の繁華街」での広がりに加え、経路不明も多いが、国や都は再び宣言や経済活動制限に戻るのを極力避けたいという姿勢が目に付く。

 ただ、国の調査で大多数の国民は新型コロナの抗体を保有せず、第2波流行で患者が急増する恐れがある。「3密」を避ける生活や事業のスタイル確立を図るとともに、医療崩壊を招かない検査・治療体制の十分な備えが不可欠だ。