28日のホーム開幕戦で勝利し、無人のスタンドにあいさつするサンガの選手たち(サンガスタジアム京セラ)

28日のホーム開幕戦で勝利し、無人のスタンドにあいさつするサンガの選手たち(サンガスタジアム京セラ)

 J2京都サンガFCが新スタジアムで今季初勝利を挙げた6月28日の磐田戦。試合後、選手たちは無人のゴール裏サポーター席に向かった。一礼すると、森脇が「ありがとう!」と叫んだ。無観客の中、画面越しに声援を送ったファンとの絆を示す行動だった。

 粋な計らいは自然発生だった。30日の練習後、オンライン取材に応じた若原は「『(ゴール裏に)行こうぜ』という声がした」と明かす。主将の安藤が手招きし、みんなを呼び寄せた。若原は「『僕たちは一つ』と伝えたかった」。実好監督も勝利の瞬間に「歓声が聞こえた」と感謝を語っていた。
 サポーターへの愛はゴール後のパフォーマンスにも詰まっていた。2点目を決めたウタカがボウリングの投球のしぐさをすると、10人が次々と倒れた。ゆらゆらと揺れる「ピンアクション」を表現したバイスは「サポーターが恋しいけど、常に心の中に感じている。僕たちはエンターテイナー。これからも楽しんでもらえるサッカーを見せるよ」と笑顔で話した。
 空席のスタンド。ピッチを包む静寂。約4カ月ぶりに再開したリーグ戦は、新型コロナウイルスの影響で一変した。観客を段階的に入れる予定の7月10日以降もサポーターは声援や手拍子さえ禁止され、間近で応援できないジレンマも生まれるかもしれない。だが、ぐっとこらえて、念を送るのも悪くない。どんなに離れていようとも、後押しする気持ちは選手たちに届くから。