食中毒予防の注意点

食中毒予防の注意点

府山城北保健所職員(右)からチラシを受け取る店員=宇治市・宇治創こころ

府山城北保健所職員(右)からチラシを受け取る店員=宇治市・宇治創こころ

 新型コロナウイルスの影響で、テークアウト(持ち帰り販売)を始める飲食店が増える中、食中毒の増加が懸念されている。各店舗は容器に「1時間以内に食べて」とのシールを貼るなどの対策を始めた。京都府は食中毒予防推進強化期間がスタートした1日、飲食店を訪問し、テークアウトの注意を呼び掛けた。

 府によると、テークアウトは店内飲食に比べ、調理から食べるまでに時間がかかるため、より食中毒のリスクが高まる。先月には飲食店から無償提供された弁当を食べた長岡京市内の病院の医療従事者ら53人が食中毒症状を訴えた。府は「新たにテークアウトを始めた店への注意喚起が必要」として、強化期間中(7~9月)に重点的に指導することにした。

 1日午後、府山城北保健所の職員2人が、宇治市の宇治橋通り商店街にある創作料理店「宇治創こころ」を訪問。「調理後、2時間以内に食べてもらいましょう」などと注意点を記したチラシを店員に手渡した。

 外出自粛を受け、同店では天ぷらなどが入った2種類の弁当を5月から販売。作り置きはせず、容器には調理時間と「1時間以内にお召し上がりください」とのシールを貼るなど、これまでも対策をとってきた。同店の花登義隆顧問(50)は「絶対に食中毒を出さないという意識を持ってやっていく」と、気を引き締めた。

 京都市右京区で5月下旬にオープンした持ち帰り弁当専門店「太秦弁当村」は、加工所、販売所ともに1日3回必ず気温と湿度を計測、室温が20度を超えないよう徹底する。運営する林幸平さん(42)は「おかずは作り終わったら必ず冷やす。基本を守らないと食中毒は必ず起きる」。

 調理や販売段階で注意しても、不安は消えない。京都市は盛り付けから4時間以内で食べることをホームページで推奨しているが、林さんは「お客様によっては購入してから食べるまで時間を空ける人もいる。早く食べてもらえるよう、店頭で呼び掛けるしかない」という。

 府生活衛生課は「期限表示が日付だけで時間が書かれていないケースも見受けられる」と指摘。「食中毒が発生すれば、テークアウトに頑張って取り組む他の店にも悪影響を及ぼしかねない。店も消費者も危機感を共有してほしい」とする。