センサーやデータが送られるタブレット端末を持って牛を観察する生徒ら(京都府南丹市園部町・農芸高)

センサーやデータが送られるタブレット端末を持って牛を観察する生徒ら(京都府南丹市園部町・農芸高)

 京都府立農芸高(南丹市園部町)は、牛の出産を体温センサーで感知する機器を試験導入し、その効果を実証した。タブレット端末やスマートフォンにメールで牛の体調を通知し、体温データを遠隔管理する仕組みで、畜産家は24時間体制の見回りから解放されるといい、ICT(情報通信技術)を活用した「スマート農業」への期待が高まっている。

 農芸高では、畜産部の生徒ら約40人が乳牛30頭と肉牛5頭の飼育に取り組む。牛の出産は年間10~15頭を数え、これまでは出産の予定日前後から生徒と教職員が交代し、24時間体制で新たな命の誕生を手助けしてきた。

 一方で牛の出産は畜産家にとっても大きな負担になっていることから、同高は昨年12月下旬からNTTドコモの機器「モバイル牛温恵」を導入し、生徒らと実証実験に取り組んだ。

 機器は、妊娠した牛の体内にセンサーを挿入すると、5分ごとに体温を計測し、出産の24時間前や破水などをメールで通知する仕組み。これを出産予定だった牛に機器を装着したところ、1月2日午後5時半には破水の通知があり、駆けつけた生徒と教職員が介助をして午後7時に雌の子牛が無事に生まれた。午後5時に見回りを終え、通知がなければ発見が遅れていた可能性があったという。

 立ち会った1年の女子生徒(15)は「時間が分かって、とてもやりやすかった」と振り返る。担当する実習教諭の男性(48)は「データで牛の状態が分かって教育に役立つ。目視とともにセンサーによる監視で安全な出産ができる」と語る。