コロナ禍を機に、テレワークを導入する企業が増加している。

 ノートパソコンなどを使い、自宅や共有オフィスで仕事する。通勤時間を節約でき、育児や介護と両立できるとの声も少なくない。

 働く人の選択肢を広げ、従来の業務の見直しにつながっている面もあるようだ。新しい働き方として定着することを期待したい。

 京都新聞社が4月に行った主要企業アンケート(回答94社)では7割が実施し、うち半数はコロナ禍を契機に導入したと答えた。

 内閣府のインターネットによる調査(5月25日~6月5日)でも就業者の約35%が経験していた。

 緊急事態宣言が解除されてもテレワークを継続する企業は少なくない。仕事は会社でするもの-という常識が変わってきているようだ。都心から地方に拠点を移すことを模索する企業もあるという。

 テレワークになじまない業種もあるが、こうした流れは働き方にとどまらず、東京一極集中の是正など社会構造の変化にもつながる可能性がありそうだ。

 ただ、見えてきた課題もある。その一つが労働時間の把握だ。

 連合の調査では、テレワークした人の半数が出社時より長時間労働になったと答えた。残業したのに申告しなかった人も多かった。

 申告しづらい雰囲気や時間管理がなされていないことを理由に挙げる声があり、労務管理の在り方には改善の余地がありそうだ。

 回線使用料や携帯電話の通信費を自己負担していた人も少なくない。各社で検討を進めるべきだ。

 テレワークを導入しても、部署によっては出社していたケースもあった。社内での打ち合わせのほか、紙ベースの書類確認や押印が必要な業務があるためだという。

 業務慣行の見直しを社会全体で進める必要がありそうだ。政府の規制改革推進会議は、書面主義や押印が必要な行政手続きを見直すよう各省庁に求めるという。役所の業務改革が進めば民間にも波及しよう。さらに工夫してほしい。

 テレワーク経験者の中には、地方への移住を志向する人も増えている。内閣府の調査では、三大都市圏居住者では若い世代を中心に地方移住の関心が高く、東京23区の20代に限ると35%にのぼった。

 コロナ禍で、人が密集する大都市のリスクを感じている人が多いことを物語る。地方も受け入れ態勢を整え、応えたい。

 地域の魅力や利点をアピールすると同時に、通信環境の整備など具体策にも踏み込んでほしい。