鎌倉時代の歌人、藤原定家の日記「明月記」に記された超新星は見る方向で明るさが違う「ゆがんだ爆発」だったことが、京都大の小山勝二名誉教授や内田裕之理学研究科研究員らの研究で分かった。同型の超新星は星までの距離や動きを推定する「標準光源」として使われており、標準光源の詳細な解析で導かれた「宇宙の加速膨張」が見直される可能性もあるという。

 

 1006年に出現、後に名月記に記された超新星SN1006について、エックス線天文衛星「すざく」の観測データを解析した。
 SN1006は、白色矮星[わいせい]の核融合が暴走して爆発する「Ⅰa型」の超新星。同型は絶対的な明るさがほぼ同じとされ、観測した明るさや波長から星までの距離や動きが分かる。これらの観測から宇宙の膨張が加速しているとした研究が2011年のノーベル物理学賞を受けた。
 グループは、爆発から千年後の超新星残骸のエックス線を解析、ケイ素や硫黄などの重い元素の分布が一方向に偏っていることを確認した。見る方向によっては明るさが1割程度違うという。
 他にも明るさの補正が必要な超新星が多く存在する可能性があり、小山教授は「加速膨張の理論の見直しが必要になるかもしれない」と話している。