女子テニスの大坂なおみ選手がテニスの四大大会の一つ、全豪オープンのシングルスで初優勝した。昨年の全米オープン制覇に続く快挙である。ライバルのマークが強まるなかで再び頂点に達した偉業をたたえたい。

 世界ランキングでも、現在の4位から男女を通じてアジア勢初の1位に浮上することが確定した。

 テニス界に「大坂時代」の到来を強く印象づける大会となった。

 際立ったのは、大坂選手の驚異的ともいえる粘り強さだろう。

 2時間27分に及んだ決勝でも、それは十分に発揮された。第1セットをタイブレークの末に奪ったものの、その後巻き返され第2セットを落とした。しかし第三セットはサーブを粘り強く返して流れを取り戻し、最後は力強いショットをたたき込んだ。

 巧みな気持ちの切り替えと集中力で試合の主導権を取り、勝利をつかんだ。

 幼い頃から米国人の父にコーチを受けて成長した大坂選手は、180センチの恵まれた体から繰り出す強力サーブで早くから注目されてきた。一方で試合のプレッシャーに弱い面があり、コート上で感情をあらわにすることもあった。

 精神面の弱点を克服してつかみ取ったのが昨年の全米オープン優勝だった。今回の全豪オープンでは、心の強さをさらに高めたことを強く印象づけた。

 大坂選手の著しい成長を支えているのが2017年末からコーチを務めているドイツ人のサーシャ・バイン氏だ。

 バイン氏は、セットの合間、いすに腰掛ける選手に対し、地面に膝をついてアドバイスする姿が印象的だ。

 練習でも、選手と目線を合わせ、積極性を引き出す指導を続けているという。

 大坂選手は昨年から減量や走り込みなどでトレーニングの負荷を高めているが、バイン氏の指導がその効果をあげることにつながっているという。

 日本のスポーツ界では、監督やコーチの指導を一方的に受ける傾向がいまだに強い。指導とパワハラを混同した結果の問題も度々明らかになっている。

 大坂選手を支えるコーチ陣のあり方から、日本のスポーツ界が学ぶべきことは多いのではないか。

 大坂選手は今後、挑戦を受ける立場になる。若い世代からの目標にもなろう。しかしまだ21歳である。プレッシャーをはねのけ、伸び伸びと成長を続けてほしい。