2018年の全国の自殺者は前年より723人少ない2万598人で、9年連続の減少となったことが警察庁の集計(速報値)で明らかになった。

 年間の自殺者は1998年から14年連続で3万人を超えていた。改善はしているが、いまも2万人を超える人が自ら命を絶っていることをあらためて重く受け止め、政府や自治体は防止対策に一層力を入れてほしい。

 速報値によると、男性は1万4125人(前年比701人減)で、女性は6473人(22人減)。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は0・5人減って16・3人と、78年の統計開始以来で最少となった。

 都道府県別でみると、京都(342人)など33道府県で減少し、13都府県で増加した。滋賀(227人)は前年と同じだった。自殺死亡率は山梨24・8人、青森22・0人、和歌山21・5人の順で高く、京都は13・2人、滋賀は16・1人だった。

 2016年の自殺対策基本法の改正を受け、全国の自治体は悩み相談の拡充などに取り組んでいる。自殺者の減少が続く背景には、こうした対策の効果や景気の回復傾向があるとみられる。

 厚生労働省による18年1~11月の集計では、原因・動機は健康問題が9450人と最も多く、経済・生活問題3118人、家庭問題2839人と続いている。個別ケースの分析を今後の予防に生かしてもらいたい。

 年代別では20代から80歳以上までいずれも減少したが、未成年は男性が35人減ったものの女性が51人増えたため、全体では増加して543人となった。

 未成年の原因・動機は学校問題が169人で最多だ。いじめなどで悩む子どもたちについて、学校や家庭、地域での目配りが欠かせない。

 とくに重要性を増しているのが会員制交流サイト(SNS)を通じた相談受け付けの展開だろう。対面や電話だけでなく、SNSで悩みを打ち明けやすくすることで、若者たちの自殺防止につなげていきたい。

 警察庁の統計には、国内で自殺した外国人も含まれる。深刻な人手不足を背景に昨年12月には改正入管難民法が成立し、政府は今年4月から5年間で最大34万5150人の外国人労働者を受け入れるとしている。外国人の自殺の動向についてしっかり把握し、対策を講じていく必要がある。