大津祭の曳山(ひきやま)の一つで、神功皇后山(猟師町)のからくり装置「からくり岩」の修理作業が終わり、13日の本祭の巡行で披露された。江戸時代に作られたとみられるが、修理を繰り返すうちに制作当時の動きから離れていったという。今回は、構造を調査して仕上げており、関係者は「本来の動きに近づけた」と出来栄えを喜んだ。

「三韓之王者」の文字が現れる神功皇后山のからくり岩(大津市中央3丁目)

 からくり岩は高さ198センチで幅約85センチ。朝鮮半島の新羅に出兵したという伝説が残る神功皇后をイメージした人形が、曳山中央に立つ岩座に弓を使って文字を書く場面を表している。岩には、新羅と百済、高句麗に遠征したことを意味する「三韓之王者」の文字が書かれ、板で隠されているが、ひもを引くと板がスライドし、次々と文字が現れる仕組みだ。

 これまでは、不具合があるたびに応急的な修理をしていたため、徐々に本来の動きが分からなくなり、スムーズに動かない部分も出ていた。このため、2017年から2年間かけ、一部をばらすなどして構造を調べ、修理に取りかかった。

 スライドを戻すバネの役割のくじらのひげが劣化していたため、鋼材バネに替えた。ひもを引く力をコントロールする滑車が約20個あり、各滑車と連動する板を特定し、本来の動きに近づけた。部分的にはがれるなどしていた表面は、和紙を貼って修復した。

複雑な仕組みが見える神功皇后山のからくりの裏側

 曳山責任者の窪田善亮さん(56)は「からくりは先人が創意工夫して作った。調査によって本来の動きが分かり、次世代に継承していける状態になった。祭では皆さんに楽しんで見ていただきたい」と話している。