ため池に並んで浮かぶカイツブリのつがい(6月16日)

ため池に並んで浮かぶカイツブリのつがい(6月16日)

翼を広げ、ため池の水上を駆けるカイツブリ。降水量が少ない県南東部に多いため池は農作物だけでなく生き物の命も育む(6月15日、大津市)

翼を広げ、ため池の水上を駆けるカイツブリ。降水量が少ない県南東部に多いため池は農作物だけでなく生き物の命も育む(6月15日、大津市)

 バシャバシャッ。一羽の鳥が翼を広げて水面を駆ける。足取りに合わせて、等間隔に水しぶきを上げ、もう一羽のもとへ近づく。

 滋賀県の県鳥カイツブリ。大津市南部のため池で、つがいが離れては寄り添い、仲むつまじい姿を見せる。

 カイツブリは鳰(にお)とも呼ばれる。琵琶湖の別名「鳰の海」に名前が入るほど多くいたとされるが、県内で生息数が減っている。1980年代には2千羽以上を数えたが、2020年の調査では445羽にまで落ち込んだ。

 湖岸のヨシや水草帯の縮小、釣り人の接近による営巣放棄に加え、外来魚がエサの小魚を捕食することなどが、減少の理由と考えられる。

 「湖岸が住みにくくなり、代わりに内陸部のため池や河川が重要になっている」と琵琶湖博物館(草津市)の鳥類担当の亀田佳代子学芸員は指摘する。

 入梅後、周囲の緑が濃くなったため池では、雌雄がせっせと巣作りに励む。数が減る県の希少種が人工の池でたくましく生きる。