製造した立体マスクを手にする法被のデザイン会社の従業員たち(京都市左京区・ノムラアートプラント)

製造した立体マスクを手にする法被のデザイン会社の従業員たち(京都市左京区・ノムラアートプラント)

 コロナウイルス感染拡大の影響で全国の祭りの中止が相次ぎ、売り上げが激減した京友禅の法被(はっぴ)デザイン会社が、抗ウイルス加工の布マスクの生産に乗り出した。「地域の祭りを支えるため、つぶれるわけにはいかない」と、縫製業者らとともに製作に取り組んでいる。

 法被のデザインを手掛けるノムラアートプラント(京都市左京区)は3月以降、祭りの注文の9割以上がキャンセルになった。昔ながらの型染めで仕上げる法被は、注文から完成まで1カ月程度かかるオーダーメード。例年は祇園祭や阿波おどりなど日本全国の祭り衣装約5千着の注文が入っていた。
 野村雅彦社長(44)は「1年に1度、多くの人が集まる祭りは、経済効果も大きい」と話す。和装需要も低迷しており、染色、縫製など各工程にコロナ禍の影響が広がる。このままでは廃業する業者も出かねず、野村社長は、仕事を守るために祭り衣装製造に関わる業者仲間とマスクを製造すると決めた。
 マスクは抗ウイルス加工を施した布を使い、インターンシップの学生と考えた型紙を応用した。4月に肌に触れる内側を手ぬぐい生地にしたマスクを作ったところ好評で、内側を高島市特産の綿織物「高島ちぢみ」にし、フィルターを入れたマスクも開発した。立体的な形状で、洗って何度も使える。子どもたちに役立ててほしいと京都市教委にも寄付した。
 野村社長は「祭りが再開した時に、また仕事で手伝いたい。マスクで少しでも安心して出かけられるようになってほしい」と話す。3サイズあり、価格は1枚1300円。祭り衣装製作のノウハウを生かしたオーダーデザインマスクも受け付けている。同社のホームページで販売している。