控訴審が開かれる大阪高裁(大阪市)

控訴審が開かれる大阪高裁(大阪市)

 京都朝鮮第一初級学校(京都市南区、閉校)への差別的発言で名誉毀損[きそん]罪に問われ、一審京都地裁で罰金刑とされた「在日特権を許さない市民の会(在特会)」元幹部の被告の男(51)の控訴審を前に、同校を運営していた学校法人京都朝鮮学園の弁護団が3日、一審判決に抗議する弁護士有志の声明文と、市民ら約3400人分の署名を大阪高検に提出した。

 昨年11月の一審判決は、被告の名誉毀損罪を認定する一方、「日本人拉致事件の事実関係を一般に明らかにする目的で行為に及んでおり、公益目的があった」とした。被告側は即日控訴したが、京都地検は控訴を断念した。

 これに対し、学園側の弁護士は声明文で「被告の言動は人種差別が目的であり、公益目的は認定されるべきではない」と主張。控訴審で立証を担う大阪高検に対し、ネット上で賛同を募った市民らの署名とともに提出した。

 弁護団事務局長の冨増四季弁護士は「一審判決では、公益目的だと言えば差別発言も許容されることになる。控訴審はヘイトスピーチに対する日本の刑事司法の分岐点になる。弁護団としても、検察や市民に実情を知ってもらい、できることをしていきたい」と話した。

 控訴審は13日から大阪高裁で始まる。