運用開始から1カ月余りが経過した京都市の追跡サービス。市京セラ美術館では入り口付近や総合受付などにQRコードを設置している(同市左京区・同美術館)

運用開始から1カ月余りが経過した京都市の追跡サービス。市京セラ美術館では入り口付近や総合受付などにQRコードを設置している(同市左京区・同美術館)

 新型コロナウイルスの感染者と同じ施設を利用した人にメールで通知する京都市の「あんしん追跡サービス」の利用が広がっていない。6月1日の運用開始から1カ月余りが経過したが、サービスに登録する人が市京セラ美術館や二条城で1%余りにとどまる。認知不足や登録の手間が普及の妨げになっているとみられる。

 サービスは市内の集客施設や飲食店、イベントが対象。市が発行したQRコードを施設が掲示し、訪れた人がそれを読み取って、訪れた日時とメールアドレスを登録する。同じ日に施設を利用した人が感染していた場合、注意喚起のメールが送られる。

 市によると、先月末時点の導入施設は2421件(うち公共施設は580件)。登録者数は1万1461人に上るが、施設ごとにみると低調で、市京セラ美術館では先月の入館者2万3千人のうち登録者は369人(1・5%)、二条城は1万4千人のうち228人(同)だった。4万7千人が訪れた市動物園では、登録者はわずか49人と0・1%にとどまった。

 サービスの導入や登録は任意である上、利用者は施設を訪れる度にQRコードを読み込むなどの作業が必要になる。市内では6月以降に確認された新規感染者の中に飲食店の従業員や客がおり、注意喚起メールの発出基準を満たすケースもあったが、いずれの店舗もサービスを導入していなかったという。市はイベントでのサービスの導入も勧めているが、注意喚起メールの発出基準はまだ定まっていない。

 京都府も今月、無料アプリを用いた同様のサービスを開始した。市京セラ美術館や二条城、動物園をはじめ、市内には両サービスに対応する施設も多い。市医療衛生推進室は「徐々にサービスが浸透するのを待つしかない。行動範囲によって府か市の使いやすい方を利用してほしい」としている。