土砂崩れが起きた綾部市上杉町の施福寺地区で追悼式

土砂崩れが起きた綾部市上杉町の施福寺地区で追悼式

復旧工事の進む土砂災害の発生現場で献花する笹井定昭さん(綾部市上杉町)

復旧工事の進む土砂災害の発生現場で献花する笹井定昭さん(綾部市上杉町)

 西日本豪雨の土砂災害で3人が犠牲となった、京都府綾部市上杉町の施福寺地区で5日、追悼式が行われた。九州地方で大規模な豪雨災害が起きる中、参加者は「他人ごとではない」と厳しい表情で式に臨んだ。

 同地区では2018年7月7日、土砂崩れに巻き込まれて家屋が倒壊。稲葉利夫さん=当時(80)=と妻の英子さん=同(76)=、笹井孝信さん=同(36)=の3人が亡くなった。

 西日本豪雨から6、7日で2年となる中、遺族や住民ら50人が集まり、崩落現場の前で黙とうをささげて献花した。遺族を代表し、孝信さんの父定昭さん(70)が「あの日のことは脳裏に焼き付き、心の痛み、絶望感はいまだに消えることがない」と回想。「二度と悲しい思いをすることがないように、被災者として災害の怖さを伝えてきたい」との決意を新たにした。

 4日には九州各地で豪雨となり、広い範囲で洪水や土砂崩れが発生した。綾部市の山崎善也市長は「人ごととは思えない。われわれは自然の前には無力だが、被害を最小限に抑えるために2年前の経験と教訓を生かしていかなければならない」と危機感を募らせる。

 施福寺地区は19年2月、府や市と共同で避難準備のタイミングを定めたタイムラインを作成したが、訓練以外で実践したことはない。この間、新型コロナウイルスの影響で、避難所での密の避け方も考慮すべき課題に加わった。自治会長の田中裕さん(52)は「今年も豪雨災害が起き始めている。新型コロナで集会ができず、注意喚起もできていない。実際にできるかどうか、確かめなければ」と話した。