昨年のヒマワリ栽培の様子。開催地となった休耕田には、市内外から多くの観光客が訪れていた(2019年8月、向日市物集女町)

昨年のヒマワリ栽培の様子。開催地となった休耕田には、市内外から多くの観光客が訪れていた(2019年8月、向日市物集女町)

 京都府向日市が30年近く実施してきたヒマワリの栽培が、今年は初めて行われないことになった。ヒマワリを「市民の花」と位置付け、農家に委託して続けてきたが担い手を見つけられず、新型コロナウイルスの影響も重なって中止を決めた。観光スポットとして定着しつつあった夏の風物詩「ヒマワリ畑」が、今年は向日市から姿を消す。

 市は、1977年に市制5周年記念事業として、市民の花にヒマワリを選んだ。当時の広報によると、「夏のきらめく太陽の下で、すくすくと育つ花。伸びゆく向日市を象徴する」などを選定理由に挙げている。

 ヒマワリ栽培は、少なくとも市制20周年にあたる92年から、続けてきた。地域のPRや農業への理解を目指し、農家に委託している。市の観光冊子にも取り上げており、一面に大輪の花が広がるヒマワリ畑を見ようと、市内外から多くの人が毎年訪れている。

 これまでは市内各地の農家が交代で栽培していたが、近年は委託先が見つかりにくく、物集女町の農家の男性(70)が2015年から昨年まで5年連続で引き受けていた。開花時期を見据えた手入れや背丈の調整など、さまざまな手間がかかるため、今年は受託を断念したという。男性は「1軒の農家だけで続けていくのは難しい。楽しみにしている人には非常に申し訳ない」と話した。

 市は別の農家を探したが見つからず、新型コロナ対策で「3密」を回避する必要もあることから、事業実施後初めて中止を決めた。農家を引き続き募るほか、来年以降の取り組みを検討しているという。