京都市が昨年4月に定めた時間外勤務に関する通知。1カ月上限45時間が原則とされ、100時間超は特例となっている。

京都市が昨年4月に定めた時間外勤務に関する通知。1カ月上限45時間が原則とされ、100時間超は特例となっている。

 新型コロナウイルスの対応に当たっている京都市保健所で、感染が拡大していた3月に職員の時間外勤務(残業)が最大で251時間に達していたことが市への取材で分かった。新規感染者が相次いだ3~5月、残業が過労死ラインとされる月100時間を上回った職員は延べ43人に上る。第2波の到来が迫る中、識者は保健所職員の負担軽減が必要と指摘する。

 市給与課によると、市保健所の管理職を除く職員74人のうち、3月に残業が100時間を上回ったのは11人で、うち200時間を超えた人が4人いた。最長は保健師の251時間35分だった。

 4月は100時間超が19人、うち200時間超は5人で最長は230時間30分だった。5月は100時間超が13人、うち200時間超が1人だった。

 残業が月200時間を超えた市職員は平日の勤務が深夜におよび、土、日曜日も午前から深夜までの勤務が常態化していた計算になる。政府の専門家会議は5月下旬、感染が疑われる人に検査が迅速に行えなかった一因として保健所の業務量過多を挙げていた。

 厚生労働省は2001年、全国で相次ぐ過労死を背景に、残業時間が月100時間、もしくは2カ月~半年で平均80時間を超えると、脳や心臓に疾患を発症するリスクが高まるとする基準を示した。

 市は昨年4月、働き方改革関連法の施行に合わせ、残業は原則月45時間、年360時間以内とする上限を設け、原則を超える場合も1カ月100時間未満などと定めた。ただ、大規模災害への対処などで月100時間を超える場合も特例業務として認めている。

 労働問題に詳しい龍谷大の脇田滋名誉教授は「新型コロナの対応とはいえ、京都市は職員への健康配慮義務を果たしていない。職員が健康であってこそ、市民の命と健康を守ることができる。異常な残業にならない適正な人員配置の態勢を整えるべき」と指摘する。

■滋賀は最長125時間

 滋賀県内では、大津市保健所で3月と4月に各2人、月100時間を超える残業をした職員があり、最長は4月に125時間に達した事務職員だった。

 大津市以外の6保健所で最長だったのは東近江健康福祉事務所の保健師で88時間30分。県庁などを含む県職員全体でみると、3~5月に月100時間を超えたのは延べ26人で、最長は184時間の商工観光労働部職員だった。