住民らが区ごとに作成した「保津町自治会タイムライン」

住民らが区ごとに作成した「保津町自治会タイムライン」

過去の災害で山肌が削られた愛宕谷川の上流。民家のある下流まで土砂が流れ出す可能性があるという(亀岡市保津町)

過去の災害で山肌が削られた愛宕谷川の上流。民家のある下流まで土砂が流れ出す可能性があるという(亀岡市保津町)

 京都府丹波地域でも大きな被害が出た西日本豪雨から2年。水害や土砂災害などに備え、亀岡市保津町の住民たちが会合を重ねて作成していた独自の避難行動計画「タイムライン」が今春完成した。ただ、新型コロナウイルス禍で、タイムラインを活用した訓練はまだ実施できていない。本格的な出水期を迎え、同町自主防災会は危機感を強めている。

 同町は度重なる桂川の氾濫に悩まされ、対岸のJR亀岡駅が浸水した2013年の台風18号でも住宅が浸水、半壊する被害があった。行政の避難情報を待たずに自主避難につなげようと、2市1町で初めて府の協力のもとタイムラインの策定に乗り出し、昨年8月から3回にわたって住民が危機意識を共有した。
 同じ町内でも山裾や川沿いなど環境が異なることを踏まえ、タイムラインは八つの区ごとに作成。避難開始の目安となる「スイッチ」は、町中心部を流れる愛宕谷川の水位、用水路に砂利が混ざっているか、消防団のサイレンが聞こえるかなどを住民目線で示した。また、近年では、指定された避難所へ向かう途中に犠牲になったケースもあることから、まだ余裕のある時の「自主避難場所」や「一時集合場所」を設け、区によっては自宅にいることが次善だとした。
 タイムラインは3月に完成、A3判に印刷して全戸配布した。だが、住民同士で検証のための訓練をしようと思った矢先、コロナウイルスが猛威を振るうようになった。
 自主防災会長の上田伊佐男さん(72)は「タイムラインはできたが、『とりあえず高台に上がる』『水が引くまで○○さんの家にいる』などより細かなコミュニケーションも必要。みんなが集まれない今、それぞれが自主防災を考える時間にできれば」と語る。