政府が、二酸化炭素(CO2)を多く排出する非効率な石炭火力発電所を、2030年度にかけて段階的に休廃止する方向性を打ち出した。

 新たな規制の導入、早期退出への誘導策の創設、太陽光など再生可能エネルギーの利用を加速するルール見直しの3点を柱とする具体策を検討するという。

 石炭は他の燃料に比べて比較的価格が安く、オーストラリアなど政情の安定した国から輸入できる優位点があるとして、国内の発電量の3割程度を占めている。

 11年の福島第1原発事故後の原発停止を背景に、石炭火力への依存が高まった。

 だが、CO2排出量が液化天然ガス(LNG)などと比べて多く、地球温暖化を加速させているとの批判は強い。温暖化対策の枠組み「パリ協定」に基づき、欧州を中心に石炭利用を見直す動きが広がっている。

 依存を続ける日本の姿勢は国際的な非難の的となってきた。ようやくながら「脱炭素」へ方向を示したことの意義は大きい。

 ただ非効率な石炭火力の縮小は、18年に決めたエネルギー基本計画で示されていたことだ。

 国内には現在、140基の石炭火力が存在する。このうち非効率な発電所は114基あり、100基程度を休廃止する。

 旧式が対象であり、高効率の石炭火力の活用は今後も維持するという。新たな建設予定も16基あり、国内だけでなく発展途上国への石炭火力輸出も続いている。

 高効率とされる石炭火力でもCO2排出量が多いことには変わりない。発電施設を一度造ってしまえば、影響は長期間に及ぶ。

 日本へ注がれる視線は、なお厳しいのではないか。国際的な潮流に遅れぬよう、廃止の方向性をさらに推し進めてほしい。

 とはいえ、一定量の電力は必要である。どのようなエネルギー供給の形がふさわしく、また実現可能なのか。国民合意へ議論が求められる。

 政府は電力の安定供給を保つためには、再生可能エネルギーの拡大や原発の再稼働をセットで進める必要があるとしている。

 発電量に占める原発の割合を18年度の6・2%から30年度には20~22%へと引き上げることを目標に掲げるが、国民の不安は強く、現実的とはいえない。

 再生可能エネルギーの普及拡大を含め、大きな視点で計画の見直しを進めるべきだ。