東京都知事選で現職の小池百合子氏が圧勝し、再選を果たした。

 過去2番目に多い336万票を獲得、2位以下に大差をつけた。

 争点は新型コロナウイルス対策と、延期された東京五輪・パラリンピックへの対応とされた。

 コロナについては、小池氏が主導してきた対応策が一定の評価を得たといえるだろう。

 五輪は、中止や再延期を主張する候補者もいたが、勝敗を左右する論点にはならなかった。

 何を問うのかが不明確な選挙だったといえる。結果的に小池氏の信任投票となった面は否めない。

 東京都は巨大な人口と税収があり、都の政策や知事の言動は国政にも大きな影響を及ぼす。

 コロナに限らず、一極集中や少子高齢化など首都が抱える課題を積極的に解決する道筋をつける気持ちで2期目に臨んでほしい。

 そのコロナ対策は喫緊の課題である。7月に入り、都内の感染者が100人を超える日が続くなど第2波への懸念が高まっている。

 小池氏は感染拡大防止と経済の両立を図る考えを示すが、都民に分かりやすい説明が必要だ。

 従来の「東京アラート」を改定し、感染状況や医療態勢についての新たな指標を設定した。

 ただ、警戒呼びかけや休業要請に当たっての数値的な基準は設けず、都のモニタリング会議での評価を基に総合判断するという。

 感染への対応を「政治的判断」で行う余地が大きくなったといえる。知事の責任がより重くなることを改めて自覚してほしい。

 東京五輪の行方も気になるところだ。世界的な感染の広がりはいまだ収束の気配をみせず、中止論も浮上しかねない状況だ。1年延期に伴う追加費用を、誰がどれだけ負担するかも見通せない。

 今後の都政運営には、財源問題が重くのしかかることになろう。

 コロナ対応でも都は1兆円以上を予算化しており、財政調整基金残高は9割減の見通しだ。第2波が来た場合、この前のように休業協力金を準備できるか不透明だ。

 小池氏の手腕が問われる。財源確保には国との調整のほか、事業や住民サービスの見直しを迫られる場面も出てこよう。

 腰を据え、誠実に都民に向き合う姿勢が不可欠といえる。

 加速する少子高齢化のほか自然災害などへの対策も急務だ。

 コロナ禍では、人口が集中する大都市のもろさが浮き彫りになった。安全で暮らしやすい都市づくりへの方策も求められている。