自宅でテレビゲームに夢中(加地猛さん提供)

自宅でテレビゲームに夢中(加地猛さん提供)

 自らの「おかん」の日常を京都の中古レコード店主が撮った写真が31日から、京都市下京区麸屋町通五条上ルの「Lumen gallery」で展示される。居間で寝転がって韓流ドラマざんまい。風呂上がりにタオル一枚でほっと一息。息子による赤裸々で、ごく私的な記録は、笑いと、ほんのちょっぴり感動を呼び起こす。

「また、そんなん撮って」

 中古レコードと古書の店「100000tアローントコ」(京都市中京区)を営む加地猛さん(43)=大阪府枚方市=が母千春さん(79)を撮るようになったのは3年前。フェイスブックに載せると友人の反応が良く、頻繁に掲載した。それを見た知り合いから初の個展を提案された。約50枚を展示予定。
 「おかんって謎多き存在」と撮り始めた理由を話す。いわゆる「大阪のおかん」の典型だという母は親戚の葬儀で号泣し、言葉がうまく出てこずに戸惑っている猛さんをよそに、おきまりの悼むせりふをすらすらと発する。かと思えば、程なく「せっかく集まったんだし」と周りをカラオケに誘う。「どないやねん、っていうことばかり」
 身内を世間にさらすことに抵抗を感じる人もいるだろうが、あるがままの母を「公開」することは、家族関係に風を通すことでもある。寝たきりで介護が必要な父を長年一緒に世話する中で、密接に関わってきた母を見つめ直しているように映る。だから、どの写真にも「愛」があふれている。
 「また、そんなん撮ってー!」と毎回のように言いながら、「おかん」は時々ピースマークで応えるそうだ。