電気ショッカーボートでオオクチバスを捕らえる滋賀県水産試験場の職員ら(2014年11月、滋賀県彦根市三津屋町・曽根沼)=同試験場提供

電気ショッカーボートでオオクチバスを捕らえる滋賀県水産試験場の職員ら(2014年11月、滋賀県彦根市三津屋町・曽根沼)=同試験場提供

 外来魚の繁殖に悩まされていた滋賀県彦根市の曽根沼で、水中に電流を流して魚を感電させて捕まえる「電気ショッカー」を使った駆除が実り、従来の生態系が回復しつつある。オオクチバス(ブラックバス)がこの3年間で激減する一方で、在来のホンモロコやフナの産卵が目立って増えた。在来魚介類の種類もほぼ倍増し、滋賀県水産試験場(同市)は「他の池や沼でも効果が見込める」という。

 同試験場が2003年から、外来魚を減らすモデル水域として、1周約3・2キロの曽根沼で駆除に取り組んできた。当初は投網や釣りが中心で大幅な駆除効果はなかった。08年に電気ショッカーを搭載したボートを導入。水中に突き出した2本の電極に電流を流して魚を感電させ、一時的に気絶して浮かんだ外来魚だけを網で捕まえる手法で、年に約10日間活動してきた。
 ボートを使って1時間に駆除できる親魚の数は11年春に平均約7・25匹だったのが、14年春は約0・25匹に減少。沿岸を回りながら網で稚魚の群れを狙う「稚魚すくい」も、11年は1周で約2万1千匹捕れたが、14年は群れを確認できず、1匹捕れただけだった。
 当初は、外来魚の減少から一定期間後に在来魚が回復するとみられていたが、すぐに沼に変化が表れた。調査用の小型定置網にかかる在来魚介類の種類は11年の11種から、14年は20種に回復。調査した佐野聡哉主査は「内湖の力をあらためて実感した」と話す。
 ただ、駆除自体がオオクチバスを対象にしておりブルーギルは依然、数多く生息しているという。また、オオクチバスの稚魚と成魚が激減する一方、13、14年に幼魚が急増する「リバウンド現象」が確認され、同試験場は「えさになる在来魚が増えたためか原因がはっきりせず、今後解明したい」としている。