京丹後市が京都工芸繊維大との共同研究で生産した生糸(京都府京丹後市峰山町・市役所)

京丹後市が京都工芸繊維大との共同研究で生産した生糸(京都府京丹後市峰山町・市役所)

 京都府京丹後市は京都工芸繊維大と共同で人工飼料による年間を通じた無菌養蚕の飼育方法を確立したと、29日発表した。生糸を市内の織物業者に提供し、純国産織物の商業化を目指すとともに、養蚕に参入する企業を募っている。

 生糸は中国など海外からの輸入に依存しており、市は新シルク産業創造館(同市弥栄町)を2016年に整備し、原料の確保や純国産による付加価値の高い織物生産を目的に、同大学と共同で取り組んできた。

 市によると、誕生から繭まで一貫して人工飼料で育てることで、桑の葉のない季節も含めた年間を通じて養蚕が可能となった。16年11月の施設稼働から昨年10月までで生糸約62キロ分の繭を出荷。昨年8~10月には施設の上限である蚕20万頭の大量飼育の実験も行った。通常の生糸より白い特徴があるという。

 市は市内企業に生糸を提供して活用法を探るとし、「養蚕のノウハウを公開し産業として根付かせたい」とした。2月20日午後2時から、同大学の森肇教授が同館で研究内容を発表する。

 森教授は「一度にこれだけの規模で全齢人工飼料無菌飼育による繭および生糸の生産を行った所はどこにもなく、生糸生産のための工場養蚕の第一歩と言える」とコメントした。