新型コロナウイルス感染拡大による宿泊客減の影響で、平和堂子会社が滋賀県彦根市中心部で運営する「グランドデュークホテル」(佐和町)と「ビジネスホテル芹川」(河原2丁目)が、15日で廃業することが分かった。ホテル関係者は「コロナ禍の先行きが見えず、経営回復は難しいと判断した」としている。

 両ホテルは平和堂(同市)が土地建物を所有し、完全子会社グランドデュークホテル(中谷宝持社長)が運営を担っている。

 同社によると、グランドデュークホテルは1977年開業で、6階建て43室。JR彦根駅から徒歩すぐで、一部の部屋からは彦根城の天守が見える好立地で、近年は春秋の観光シーズンを中心に国内外から年間約1万人の宿泊客が訪れていた。夏恒例の屋上ビアガーデンも人気だった。

 しかし、新型コロナウイルス感染が国内に広がり始めた2月後半から宿泊や宴会のキャンセルが相次いだ。一部の従業員を休ませながら営業を続けていたが、客足が戻らず、5月16日から営業を取りやめていた。歓楽街・袋町の利用客の宿泊がかつて多かったというビジネスホテル芹川(4階建て、42室)も同日から休業していた。

 グランドデュークホテルが市内のゴルフ場内で運営するレストランと合わせて従業員約60人は解雇する方針だが、希望者全員に面談の上、平和堂グループで採用するという。土地建物の今後の活用法は未定としている。

 中谷社長は「営業を休止しながら感染状況をみていたが、再び拡大しつつある状況を考慮し、トンネルから抜け出すのは難しいと感じて決断した。多くのお客様にお世話になったが、観光へのダメージが大きすぎた」と話している。