発達期の弱視治療に使うアイパッチを着けた知花ちゃん(山岡さん提供)

発達期の弱視治療に使うアイパッチを着けた知花ちゃん(山岡さん提供)

 「アイパッチのことをもっと知ってほしい」。京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」のLINEに、そんな声が寄せられた。アイパッチは発達期の弱視治療に用いられる眼帯。用途を知らない人が多く、街中で着用していると奇異の目で見られることがあるという。詳しい話を聞いた。

 「『目どうしたの?。けがでもしたの?』。アイパッチを着けているとそんな言葉を投げ掛けられることが多いんです」。意見を寄せた京都府宇治市の山岡知里さん(31)。娘の知花ちゃん(5)が3歳児健診の時、左右の目の視力差が大きい不同視弱視と判明。医師から治療でアイパッチを着けるよう言われた。

 アイパッチは視力が良いほうの目に装着し、矯正用のメガネと併用して弱い目の視力発達を促す。シール状の眼帯が一般的で、メガネのレンズを覆おうタイプもある。

 知花ちゃんは3歳の時、右目の視力が0・8に対し左目0・1だった。放置すれば良いほうの右目ばかりで見るくせがつき、左目の弱視が進行する恐れがあったため、アイパッチで治療することになった。

 当初は自宅で1日3時間装着する程度だったが、視力の発達がなかなか進まず、4歳の時に医師から外出時を含め1日中着けるよう指示を受けた。

 知花ちゃんは最初「嫌だ」と言ってアイパッチを強く拒んでいたが、徐々に慣れていった。ただ今でも、外出先で「どうしたの?」と聞かれると、しょんぼりした様子になるという。山岡さんは「悪気がないのは分かっているけれど本人にとってはストレス。アイパッチを知っている人が増えてくれたら気分良く過ごせるのに」と訴える。

 京都府立医科大付属病院の稗田牧医師(眼科)によると、発達期の弱視の治療法としては点眼薬もあるが、アイパッチが主流という。少なくとも半世紀以上、治療に使われてきたが、装着する子どもが限られるため街中ではどうしても目立ってしまう。

 稗田医師は「アイパッチを着けている子どもは目が見えにくい状態。周囲の人はそれを知って、そっと支える意識を持ってほしい」と呼び掛ける。