新型コロナウイルスの現況について、新規感染者は拡大傾向にあるが重症者は少なく、医療体制には余裕がある、との見方を共有したようだ。

 政府がコロナ対策のために新たに設け、初会合を開いた分科会である。

 「初仕事」として、政府が要請しているイベント参加人数の上限を、10日に引き上げる方針を了承した。

 これは、屋内で行われるコンサートやプロスポーツなどで、定員の50%の範囲内であるなら、5千人までは入場できるとし、これまでの要請を緩和するものだ。

 現在、無観客で実施されているプロ野球やサッカーのJリーグも、ファンに来てもらえる。

 かつての日常を徐々に取り戻す一歩として、国民にも受け入れられる判断なのかもしれない。

 一方で今月2日以降、東京都内で連日100人を超える新規感染者が確認され、ほかの道府県にも感染が波及しているとみられることには、どう対処するのか。

 新たな分科会は、政府が2月に設置したコロナ対策の専門家会議を廃止して、代わりに発足させた組織である。

 政府内での位置付けを明確にするとの理由で、全閣僚で構成される対策会議の下部組織とした。

 また、感染拡大防止と経済活動の両立を図るため、感染症や公衆衛生の専門家とともに、経済学者、自治体首長、労働組合関係者らをメンバーに加えた。

 それぞれ、そうする必要性はあるのだろうが、閣僚の顔を立て、経済活動を重視する変更ともみられている。おそらく、緊急事態の再宣言には消極的だろう。

 とはいえ、感染拡大の防止策を練る分科会であることを、忘れてはなるまい。

 初会合で、分科会長に就任した尾身茂・地域医療機能推進機構理事長は、検査態勢の拡充や、各地のデータの即時共有といった感染対策のたたき台を示した。

 検査については、症状のある人と、無症状でも職場の感染リスクが高い人、それ以外の三つに分けて対応すべきだという。

 分科会は、こうした具体策を活発に提案し、迅速に実施できるよう知恵を結集してほしい。

 専門家会議にはなかった議事録を、つくることにした。当面は非公開とするようだが、発言者を明記した概要は、速やかに発表するという。

 後世の検証に耐える議論をしてもらえる、と受け止めたい。