活発な梅雨前線が九州や岐阜、長野両県などに大雨被害をもたらす中、京都府や滋賀県でも激しい雨が降り続いた。不安の中で災害情報を頼りにした人もいたろう。

 テレビやラジオの情報のほか、自治体から直接、洪水警報や避難指示などを知らせるメールが届く。インターネットを使えば、気象庁や国土交通省、気象情報会社などが雨雲の動きや河川状況などを動画でリアルタイムに伝えてくれる。

 今や多種多様の災害情報が入手可能であり、自らの防災行動に役立てるようにしたい。地球温暖化で経験したことのない災害が頻発する時代、情報を得る重要性はますます高まっている。

 そこで求められるのは、情報を読み解く「リテラシー」を身につけることだ。発信元の信頼性を見極め、いつの情報かを確認し、客観的に受け止める。専門用語の知識も必要だろう。

 情報を誤解すると生命に関わりかねない。たとえば「特別警報」の受け止められ方が気になる。すでに災害が発生している可能性が極めて高い状況に出され、気象庁は「発表されてから避難するのでは手遅れ」とまで説明している。しかし、今回の九州豪雨を含め特別警報を避難の目安にしているような場面が見受けられる。

 情報は送るだけなく、正しく生かされなくては何にもならない。受け手がどう判断し、行動につなげたのか。日本災害情報学会などの専門家らが、情報の伝え方とともに情報の伝わり方に目を向けるようになってきている。具体的な事例を検証し、受け手の立場になった情報のあり方を提示してほしい。

 京滋が大雨となった8日未明、自治体からの情報メールが数十本も続き、着信音がひっきりなしに鳴った。もちろん必要性があってのメールだが、自分に関係ないとと受け止められるとスイッチを切られかねない。受ける側が情報の対象区域を選択できるとか、工夫があっていいのではないか。

 停電になれば、テレビも携帯電話も使えなくなる。考えておく必要があろう。ある地域では、川が危険になる水位を独自の目印で判断し、避難を始めるという。身近な所から情報を得て、住民で共有することが大切だ。

 地域にどんなリスクがあり、どんな状況で危険になるか。これらも情報だ。住民は地域を知り、危険を察知すれば声をかけて避難する。顔の見える情報の伝達と行動といえる。