ガイドラインを生かし、文言を改めた消毒用品のそばに張る注意書き(京丹波町蒲生・蒲生野中)

ガイドラインを生かし、文言を改めた消毒用品のそばに張る注意書き(京丹波町蒲生・蒲生野中)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う中傷や差別を防ごうと、感染者がゼロで推移している京都府京丹波町の中学校が、指導のガイドラインをまとめ、現場で生かしている。同様に感染者が確認されていない南丹市教育委員会も児童や生徒、保護者に向けた文書を作成した。関係者は「感染は完全に防げなくても、差別やいじめは防げる」と話す。

 京丹波町蒲生の蒲生野中学校はコロナ対応に関する約30ページのガイドラインを作り、約2ページを偏見や差別の防止に関する事項に割いた。予防指導では「近づいてはいけない」「マスクを外してはいけない」といった文言で「禁止」や「制限」を打ち出しがちと指摘。生徒たちが指導を守ろうとするあまり、マスクをしていない人らに過剰に反応し、中傷や差別につながりうる点に注意を促す。

 趣旨を踏まえ、実際に対応の改善を積み重ねている。昇降口に消毒用品を置いた際に、「消毒をしてから教室に入りなさい」と紙に記していたのを、「~入りましょう」という柔らかな表現に改めた。寺本裕彦教頭は「禁止や制限ばかりでは、嫌な学校になる。表現や指導に配慮すれば雰囲気が変わる」と強調。「(経済の活発化などで)感染者の発生は防げないとしても、差別やいじめにあう生徒を1人も出さないことはできる」と力を込める。他校と取り組みを共有しながら、工夫を続ける。

 南丹市教委もこのほど、学校を通じて文書を保護者に配布。子どもの手本となる言動を大人が示すことが、差別やいじめのない環境作りにとって大切だと訴えている。