長浜市の建設会社が開発した琵琶湖の水草を原料にした堆肥(滋賀県庁)

長浜市の建設会社が開発した琵琶湖の水草を原料にした堆肥(滋賀県庁)

 オオカナダモやコカナダモなど琵琶湖の水草を原料にした堆肥を、長浜市の建設会社「明豊建設」が開発し、年明けから試験販売を始めた。夏場の大量繁茂で悪臭や航行障害を引き起こす「厄介者」を資源として活用し、商品化したのは初めて。同社や開発支援してきた滋賀県は「水草が琵琶湖の恵みとして認識してもらえるようになれば」と期待している。

 商品名は「湖(こ)の恵(めぐみ)(ビニル・ドゥ・ラク)」(350グラム、税別800円)。水草(85%)に県産原木チップ(10%)と、酸素の供給を必要としない特殊な土壌菌(5%)を混ぜて堆肥化しており、短期間で製造でき、独特のにおいがないのが特長だ。パッケージはデザイン性を重視し「マンションでの植物観賞を楽しんでほしい」と売り込む。

 同社企画営業部長の白石昌之さん(49)が2013年、水草の大量繁茂を報じた新聞を見て「地元企業として何か貢献できないか」と開発に乗り出した。長浜市で開かれる環境産業の見本市「びわ湖環境ビジネスメッセ」で知り合った香川県の企業から堆肥化の技術協力を得て、県の支援も受けながら5年がかりで商品化にこぎつけた。

 県が県漁連などに委託し南湖で刈り取った水草を提供してもらい、市内の専用工場で重機を使って土壌菌などとよく混ぜ、約2カ月間、ビニールシートで覆って強制的に発酵させる。その後、ふるいに2度かけて釣り糸などの不純物を取り除き、加熱処理する。

 発酵が効率的に進む土壌菌の配合割合や、土壌菌が均一的に広がる重機でのほぐし方に試行錯誤を繰り返した。香川県のオリーブ栽培や奈良県の果樹園で使用し、病原菌に侵された木が正常化して実をつけるなど、病気になりにくい土壌への改良効果も確認した。

 同社は今後、年間約200トンの水草から約20トンの堆肥を製造する。年間1万袋の販売を目指しており、3月には首都圏の百貨店や専用ホームページなどで本格的に販売する。20年には水耕栽培用の液体肥料を商品化する計画という。

 県では年間約6千トンの水草を刈り取っており、大学や企業がバイオマス発電への利用や家畜飼料の開発などを進めている。