独自の文化、重層的に

釈迦如来坐像 鎌倉時代 圓福院蔵(重要文化財)

 近江国の中心地として、大津市南部には8世紀に国庁が造営され、一宮の建部大社が創建されるなど、さまざまな文化が育まれた。12日に大津市歴史博物館で開幕する企画展「大津南部の仏像-旧栗太郡の神仏-」では、豊かな歴史を持つこの地域の仏教・神道文化に注目し、伝来する貴重な仏像や神像、仏画、経典などを紹介する。

【左】獅子・狛犬 平安時代  若松神社蔵(重要文化財)
【右】鴟尾(山ノ神遺跡出土) 白鳳時代 大津市蔵(重要文化財)

 瀬田川東部の同市瀬田や田上、上田上、大石などのエリアは、かつて栗太郡と呼ばれていた。大津遷都のあった7世紀に多くの白鳳寺院が建立され、平安時代は天台宗や真言宗の寺院を中心に山岳寺院や社が建てられた。中世に入ると、浄土宗や浄土真宗の活動が活発化し、独自の仏教文化が重層的に花開くなど、一帯は古い仏像や仏画が集中する国内屈指の地域だ。

【左】女神坐像 平安時代 建部大社蔵(重要文化財) 【中央】帝釈天立像 平安時代  正法寺蔵(重要文化財) 【右】薬師如来坐像 平安時代 安楽寺蔵(重要文化財)

 同展では、毛知比神社(大津市里5丁目)が所蔵し、平安や室町時代に造られたとみられる男神坐像2体を初公開するのをはじめ、慈覚大師円仁が創建した法楽寺(同市大石東1丁目)で寅年の数日間だけ開扉する本尊・薬師如来坐像、若松神社(同市大江2丁目)所蔵で大津最古の獅子・狛犬(重要文化財)のほか、瀬田川西部の滋賀郡に伝わる仏像なども展示する。

薬師如来坐像 平安時代 法楽寺蔵(重要文化財)

【会  期】 10月12日(土)~11月24日(日)午前9時~午後5時(入館は閉館30分前)。月曜と10月23日(水)休館(月曜が祝休日の場合は開館、翌日休館)
【開館時間】 午前9時~午後5時(入場は午後4時半まで)
【会  場】 大津市歴史博物館(大津市御陵町)
【主  催】 大津市、大津市教育委員会、大津市歴史博物館、京都新聞
【入 場 料】 一般800(640)円、高・大生400(320)円、小・中生200(160)円。かっこ内は前売りおよび15人以上の団体、大津市内在住の65歳以上の方と障がい者の方など
【関連講座】
 ▷「大津市南部の神仏習合」(10月19日)=嵯峨井建氏(京都國學院講師)
 ▷「栗太郡の名刹芦浦観音寺の仏像」(11月9日)=和澄浩介氏(滋賀県立近代美術館学芸員)
 ▷「平安時代の仏像 -定朝から運慶へ-」(11月16日)=淺湫毅氏(京都国立博物館連携協力室長)
 時間はいずれも午後2時~3時半。有料で事前申し込みが必要。
【問い合わせ】 大津市歴史博物館077(521)2100