草むらにあった軌道自転車を運び出す笹田さん(左)=滋賀県日野町内池・日野駅構内

草むらにあった軌道自転車を運び出す笹田さん(左)=滋賀県日野町内池・日野駅構内

 近江鉄道(滋賀県彦根市)はこのほど、同社で1970年代まで使われていた「軌道自転車」を甲賀市水口町在住の笹田昌宏さん(48)に譲渡した。鉄道ファンの笹田さんが日野駅構内の草むらから偶然見つけた軌道自転車で、引き取った後、自身で修理し、今秋、日野駅で開かれるイベントで披露する。

 2人乗りの軌道自転車はレール上を走る装置で、70年代まで夜間の線路点検や災害時の連絡用に利用されていたという。昨年、日野駅に立ち寄った笹田さんが、軌道自転車を発見。チェーンが切れ、ひどくさびた状態だった。
 笹田さんは「24歳の時に福岡県で軌道自転車に乗ったことがある」という。若いころの体験を思い出し、「このままではもったいない」と同社に掛け合い、譲渡してもらうことになった。
 この日、笹田さんは軌道自転車を構内から運び出し、車に乗せて持ち帰った。故障箇所を補修して塗装を直し、地域に役立てる構想を膨らませる。10月に予定のイベント「日野駅再生プロジェクト」で、用意したレールの上を走らせる計画も立てている。「当時乗っていた方が来られて、昔の話などしていただけたら」と、鉄道の歴史の継承に期待を込めた。