レンタル用の衣料品が並ぶブリスタの倉庫。コロナ禍で在庫を抱えるアパレルからの商談が増えている(草津市)

レンタル用の衣料品が並ぶブリスタの倉庫。コロナ禍で在庫を抱えるアパレルからの商談が増えている(草津市)

ファッションレンタル大手「エアークローゼット」のホームページ。コロナ禍でレンタルした衣類をそのまま買い取る顧客も増えている

ファッションレンタル大手「エアークローゼット」のホームページ。コロナ禍でレンタルした衣類をそのまま買い取る顧客も増えている

 新型コロナウイルスの感染拡大で、春・夏物の販売機会を逸したアパレルメーカーの衣料品が、洋服レンタルや在庫処分を手掛ける会社に大量に流入している。余った商材の受け皿探しにアパレル各社が躍起になる中、衣料品の「過剰供給」もコロナ禍が改めて浮き彫りにした形だ。感染を警戒して実店舗での販売が振るわない一方、ネット通販(EC)でレンタルした商品をそのまま買い取る購入方法もじわりと広がる。

 「これまで取引のなかったアパレルメーカーから仕入れの商談が寄せられている」。女性服レンタルのベンチャー「ブリスタ」(滋賀県草津市)の高橋瑞季社長は話す。
 同社は、350ブランド以上約4千着から気に入った服をネットで注文でき、自宅に届けてくれる。緊急事態宣言が解除された6月以降、同社には10以上のブランドから仕入れの話が舞い込んでいる。通常なら取引が難しい高級ブランドも含まれているという。
 背景には、4、5月の小売店の臨時休業によるアパレルの販売不振がある。京都市内4百貨店では衣料品の売上高が、4月は前年同期比82・9%減、5月は75・2%減(日本百貨店協会調べ)と激減した。在庫の現金化を急ぐため、アパレル各社は夏セールを6月から前倒しで本格化。その一部がブリスタなどに流れている構図だ。
 アパレルの在庫を定価の1、2割程度で引き取る在庫処分業「ライクカンパニー」(京都市右京区)では、持ち込まれる衣料品が5月ごろから増加。現在の引き取り数量は前年の3倍ほどに膨らんでいる。「多くが未開封で店頭に並ばなかったシーズン遅れの衣類」と言う。「メード・イン・ジャパン」の品質などを武器に、中国や香港、東南アジアに格安で輸出することで売り切りを狙う。
 経済産業省の2016年の報告書によると、国内の10年の衣料品市場規模は10兆円で1990年から5兆円減少した。だが、10年の国内供給量(輸入含む)は40億点と、20年前から倍増。流行がシーズンごとに頻繁に移り変わるため、大量の衣類が余って捨てられる「衣服ロス」が問題視されている。
 新型コロナの影響で大手のレナウンが5月に経営破綻するなどアパレル業界は苦境が鮮明になっている。感染の再拡大の動向次第では各社の次シーズン以降の商品製造にも支障が出かねず、過剰供給を前提にしたアパレルの戦略は転換を迫られそうだ。