東京都の新型コロナウイルス感染者数がきのう243人を数え、2日続けて過去最多を更新した。

 「第2波」が心配される様相となっている。若年層が多くを占めており、感染経路が分からない人も増えている。

 大阪府や神奈川県などを含め、都市部での増加傾向が顕著となった。

 こうした中、政府はイベントの制限を緩和した。無観客試合だったプロ野球やサッカーJリーグは入場者数を5千人までとした。

 ファンや関係者にとって待望されたことではあるが、イベント参加者らを通じて、さらに地方への感染拡大も懸念される。

 東京の感染拡大について小池百合子知事は、PCR検査件数が増えた結果との考えだ。重症者は少なく、警戒しながらも都の対策に自信を示している。

 政府は医療態勢が逼迫(ひっぱく)している状況にはないとし、緊急事態宣言を再び出す考えはないと繰り返している。

 だが、都内では「夜の街」関連だけでなく、友人同士の会食や、家庭内、職場内での感染事例も目立っている。「今は市中感染が拡大するぎりぎりの状況」と指摘する専門家もいる。

 このまま広がれば、高齢者が感染して重症者が急増するという事態も予想される。

 そうなれば、あっという間に状況は厳しくなるだろう。マスクの着用や「3密」を避けるといった対策が維持されているか、改めて点検が必要ではないか。

 イベント緩和の速度もこれでいいのか、再検討を求めたい。

 政府は都内の空き病床数に余裕があるなどとして強気の姿勢を崩さないが、楽観的にすぎる。

 判断の背景に、ここまで経済活動の再開が進むと、休業や外出自粛を再び要請するのは難しい、との認識があるとも言われる。

 「Go To キャンペーン」についても観光事業の一部を今月22日から先行すると発表した。

 既定路線のまま突き進み、さらに前のめりになっているようにも見える。

 経済対策と感染防止策はどちらも欠かせない。懸念を払拭(ふっしょく)できる説明もなく「大丈夫」と言うだけでは、国民に誤ったメッセージを送ることになる。

 感染拡大が一段落したとして外出制限を緩めた各国では、第2波に脅かされ、再規制に逆戻りする地域が続出している。

 日本が例外になるとは考えにくい。第2波への対策を政府はしっかり示してほしい。