7月に入って、スポーツジムなどで筋力トレーニングに励む人が急に増えた。コロナ禍の「巣ごもり」の反動もあるのだろう。マスク姿で黙々と汗を流す▼筋トレは今や世代を問わない。壮年層は体力づくり、高齢層は健康維持を目的に体幹を鍛え、寝たきりにつながりやすい転倒の予防、関節痛や生活習慣病の予防などの効果を期待する▼京都市健康増進センター「ヘルスピア21」(南区)は各種トレーニングマシンに加え、独自考案の高齢者向け筋トレ教室も実施する。「最近、リフレッシュとしての運動の大切さを再認識した人が増えている」と同センターの児島久美さん▼「コロナ後」はマスクの着用、クリアカーテン越しの指導など「3密対策」を徹底。顔見知りとつい話が弾み、「密」だと注意されて名残惜しげに距離をとる。そんな姿をよく見るようになった▼実践しただけ成果が得られる筋トレには人を魅了するところがある。<筋肉は筋肉それ自体を目的として鍛えられねばならない>―。小説「鏡子の家」に三島由紀夫が記したのは、自らの身体コンプレックス克服の過程で得た美学だろうか▼もっと強く、もっと美しくと求めてやまなくなりがちだが、中高年からは無理は禁物だ。まずは仲間と一緒に楽しく元気に続けることを目指したい。