水が流れることのないウオータースライダーが、くねくねと曲がる。人の姿はなく少し不気味。とぐろを巻く大蛇のようだ。
東山ドライブウェイ沿いにかつてあった「アクアパーク東山」。バブル期に建設が計画されたのだろう。過去の本紙記事によると、「都市型レジャープール」をうたって1991年にオープンした。
近くに住む女性(71)は「家族連れでにぎわっていた。ウオータースライダーが当時は斬新で、楽しいものができたと思った」と懐かしむ。
折しもその後、バブルは崩壊。影響があったのか、数年で施設も閉鎖した。雑草や雑木が生い茂り、鉄骨部にはツタが絡まる。往時のにぎわいは忘却のかなたに消え去り、哀愁だけを漂わせている。
上から下へ水が流れ落ちるウオータースライダー。現在の姿を見ていると、平成日本を象徴する建物のように思えた。