京都市役所

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 京都市で4月以降、家庭内暴力(DV)の新規相談が大幅に増加している。新型コロナウイルスの経済対策として国民1人当たり10万円を配る「特別定額給付金」を巡る相談が多く、これまで行政の支援を受けることがなかった被害者の存在が、給付金をきっかけに顕在化したとみられる。病院など第三者からの相談も増えており、市は今月中にも相談体制を拡充して対応する。

 市は、DV相談支援センターで女性からの相談を受け付けている。市によると、同センターに被害者本人から寄せられる新規の相談件数は例年月30件程度だが、4月は57件と前年同月比2・3倍、5月は55件と同1・4倍に増加した。病院や家族など本人以外からの相談は、4月は12件と同2倍、5月は33件と同4倍に上った。

 本人からの相談の大半は、特別定額給付金に関するものだった。同給付金は、原則として世帯主の口座に家族全員分が振り込まれる。住民票を移さないまま避難しているDV被害者が個別に受け取るには、市町村への申し出やDV証明書(確認書)が必要となる。新規相談は証明書の発行など手続きに関する内容が多く、市は「世帯主に支給される給付金の仕組みはDV被害者にとって課題だが、結果的に潜在的な被害者の掘り起こしにつながった」とみている。

 市内でDVを理由に給付金の個別支給を申し出たケースは、10日時点で計221件だった。市は今月中にも相談支援センターの相談員を1人増やして計7人とし、継続的な支援につなげる方針だ。