大阪高裁

大阪高裁

 京都朝鮮第一初級学校(京都市南区、閉校)への差別的発言で名誉毀損(きそん)罪に問われ、一審京都地裁で罰金刑とされた「在日特権を許さない市民の会(在特会)」元幹部(51)の控訴審初公判が13日、大阪高裁(長井秀典裁判長)であり、即日結審した。公判後、京都朝鮮学園の関係者らが大阪市内で会見し、一審判決の是正を訴えた。

 「ヘイトスピーチがなされたことは遺憾で許し難い。同じことが二度と繰り返されないよう、厳しい判断が下されるよう願っている」。初公判後に開いた会見で、京都朝鮮学園の趙明浩理事長は強く訴えた。

 控訴審で弁護側は、被告の「ここに日本人を拉致した朝鮮学校があった」などとする発言について、拉致事件を一般に知らせるための「公益を図る目的だった」と強調。京都の朝鮮学校の校長が拉致事件に関与した、との趣旨に受け取られたとすれば、言い間違いや舌足らずの不注意な失言だったと主張した。

 趙理事長は「言い訳のような発言を公益性に結びつけることがまかり通れば、ヘイトを許す前例になる」と危機感を募らせた。学園側の弁護団も被告側の主張に対し、「誤った評価がこのような弁明を生む」と公益目的を認定した一審京都地裁判決を批判。控訴審判決に向け、「裁判所は適切に証拠を調べ、一審の判断を是正し、人種差別を認定してほしい」と述べた。

 控訴審では被告側は一審同様、無罪を主張。検察側は「拉致事件について明らかにする目的だとしても、学校の社会的評価を低下させることは十分にあり得る」とし、名誉毀損罪が成立するとして被告側控訴の棄却を求めた。判決は9月14日に言い渡される。