群生するタシロラン(7月9日撮影、八幡市八幡・石清水八幡宮境内)

群生するタシロラン(7月9日撮影、八幡市八幡・石清水八幡宮境内)

 環境省レッドデータブックで準絶滅危惧種とされるタシロランの群生が、京都府八幡市の石清水八幡宮境内で見つかった。ラン科の花だが、葉緑素を持たない白い姿が特徴で、広範囲にわたって数多くの花を咲かせている。関係者は歴史のある神社特有の安定した環境が生育に適していたのではないかとみている。

 タシロランは、根に共生する菌類から栄養を得る腐生植物の一種。落ち葉が堆積した場所に生育し、落ち葉がなくなると全滅するなど環境の影響を受けやすい。
 群生していたのは、八幡宮東総門から展望台に至る参道や、近くの杉山谷不動尊周辺など。9日には高さ20~30センチほどの白い茎に、白い花を鈴なりに咲かせている様子があちこちで見られた。
 2日に自然観察会で見つけた森林インストラクターの齊藤侊三さん(75)=大阪府八尾市=は「毎年、参道の落ち葉が脇へよけられ、新しく積み重ねられてきたのがタシロランにとってよかったのではないか」と推測した。
 齊藤さんも実物は初めて見たといい、「新型コロナで家から出なくなっているが、実物に感動する経験が今後より大切になっていくのでは」と観察を勧めていた。