京都府が2019年度当初予算案を発表した。昨年4月に就任した西脇隆俊知事が初めて編成する当初予算案である。

 子育て支援の拡充や観光・文化の振興といった知事選の主要公約を具体的な事業に仕立てた。

 西脇知事は「新しい時代の京都づくりの布石」と説明している。

 人口減少が加速し、自然災害も相次ぐ。住民の生活をどう守り、中長期的にどんな京都府をつくりあげていくのか。個々の施策に込めた狙いや政策効果を府民にわかりやすく説明してほしい。

 予算案では「子育て環境日本一への挑戦」を掲げ、多彩な事業を盛り込んだ。背景には、府の合計特殊出生率が都道府県別で低い方から4番目の1・31(17年)と低迷している危機感がある。

 育児しやすい職場づくりへの補助や、子育て経験者や高齢者が乳児家庭を巡る「赤ちゃん応援隊」創設などの新規事業は、子育てを地域で支える取り組みを促すものといえる。府北部では出生率が高い自治体が複数ある。これらの地域でのノウハウを府全体で共有するなどの知恵も必要だ。

 府民や自治体との連携は、限られた財源を有効活用する手法として重要だ。予算案では、複数の企業が共同でサテライトオフィスを設けて労働時間を短縮するなどの試みに補助金を出すほか、市町村による広域的な病児保育施設の共同開設を後押しする。政策効果が高まることを期待したい。

 20年春のオープンを予定する亀岡市の京都スタジアム(仮称)は19年度の建設費が81億円に上る。開業後は試合のない日の集客が課題となる。周辺観光地などとつなぐシャトルバスの試験運行などの費用を計上しているが、同市との緊密な連携が欠かせない。

 スタジアム建設事業や防災・減災対策などで歳出が前年度を上回った。一方、歳入は楽観できる状況ではない。企業業績が堅調で府税収入は前年度より増加する見通しだが、リーマン・ショック前の水準には遠く及ばない。借金に当たる府債発行額も増えた。

 人口が減っていく中、将来世代への負担先送りは避けるべきだ。

 予算編成では、既存事業の費用対効果を検証して休廃止にも踏み込む「新陳代謝プログラム」を導入した。各部局の要求額に上限を設け、事業見直し全体で67億円の財源を捻出する効果を挙げた。

 無駄を省く過程は、事業を精査し、磨きをかけることにもつながる。不断の努力を求めたい。

(京都新聞 2019年01月31日掲載)