終末期医療を規定する法制化の動きを懸念する緊急集会(2018年11月、東京都千代田区・憲政記念館)

終末期医療を規定する法制化の動きを懸念する緊急集会(2018年11月、東京都千代田区・憲政記念館)

 安楽死ツーリズム、鬱(うつ)と自傷に苦しむ人の安楽死など、スイスやオランダ、米国などで安楽死の現場を取材してきたジャーナリスト宮下洋一さんを招いて2月2日午後2時半から、シンポジウム「安楽死のリアル-一つではない『良い死』」が京都市中京区の立命館大朱雀キャンパスで開かれる。

 宮下さんはスペイン在住。欧州や米国などの安楽死を事実上容認する国で取材を重ね、死の瞬間にも立ち会った。認知症男性や難病の12歳少女らが死ぬまでを辿り、執行した医師らにもインタビュー。著書「安楽死を遂げるまで」で第40回講談社ノンフィクション賞を受賞した。

 立命大生存学研究センター主催。

 安楽死が認められた地域では、対象が老い、精神疾患へと拡大し、さらに子どもへと、自己決定できる人びとの範囲を広げていく形でも生じているという。また日本でも、社会学者古市憲寿さんが安楽死合法化を主張し論議を呼んでいる。

 医師で同センターの美馬達哉教授は「安楽死は個人的な死ではありえず、かつて慈悲殺と呼ばれたとおり、医療者や周囲の人々との関わりの中でつくられる『社会的な死』。安楽死の禁じられている地域から自殺目的でスイスを訪れる人びとの存在が問題化しつつあり、グローバル化で、個人の死に方の選択も一国内で解決できなくなっている。日本でも尊厳死や安楽死の法制化を求める声があるが、現状と課題について議論を深めたい」としている。

 シンポでは生命倫理学と宗教学が専門の安藤泰至・鳥取大医学部准教授、「死の教育」に詳しい立命大の大谷いづみ教授、「弱くある自由へ|自己決定・介護・生死の技術」などの著書がある立岩真也立命大教授らが討議する。無料。問い合わせは立命大生存学研究センター075(465)8475