厄よけとして京都市内に出荷されるヒオウギ(宮津市日置・JA京都宮津府中経済センター)

厄よけとして京都市内に出荷されるヒオウギ(宮津市日置・JA京都宮津府中経済センター)

 京都府宮津市内でヒオウギの出荷がピークを迎えている。祇園祭の時期に厄よけとして民家の軒先や床の間に飾られる花で、流通量の半分以上を同市内で生産する。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、生産者は「疫病退散の思いを込めた」と話す。

 ヒオウギはアヤメ科の多年草。葉が広がった形が、宮中で使われていたヒノキの扇に似ていることから名が付けられた。魔よけの花として知られ、疫病退散を祈願する祇園祭と結びつき、京都市内では祭りの期間中にヒオウギを飾る風習が残る。
 赤い花を付ける「真竜」と黄色の「黄竜」の2品種があり、1年以上かけて高さ50~70センチになるまで栽培する。
 1960年代から宮津市が花卉(かき)栽培を奨励し、同市日置に定着。現在は農家6軒が計20アールの農地で生産する。今年は雪が少なく、春に水不足になった影響で出荷が約2週間遅れているが、7月末頃までに1万~1万5千本の出荷を見込む。
 生産を行う男性(71)は「宵山や山鉾巡行が中止になる中、例年通り生産できてよかった」と満足げに話した。