閉鎖されている中央公民館本館ホールに積み上げられている埋蔵文化財(京都府大山崎町円明寺)

閉鎖されている中央公民館本館ホールに積み上げられている埋蔵文化財(京都府大山崎町円明寺)

 京都府大山崎町が、町内の埋蔵文化財の出土品の保管に頭を悩ませている。同町円明寺西法寺にあった収蔵庫が、2018年1月からの工事で、同じ敷地内にあった第二大山崎小の学童保育施設とプールの移転に併せて取り壊されたためだ。出土品は17年12月に中央公民館の本館ホール(330平方メートル、240人収容)に仮置き場として移された。しかし、同ホールは耐震不足で閉鎖中の上、出土品も収蔵庫を取り壊す前に新たな保管場所を確保しなかったことから、施設の整備との「二重放置」状態が続いている。

 町教育委員会によると、ホールに仮置きされている出土品は、プラスチック製のコンテナ(縦60センチ、横40センチ、高さ15センチ)約2500箱分。重さは1箱平均十数キロという。ホール一面に並べられているが、床は出土品の重さできしみ、中央部に向かって傾斜や床と床の隙間ができた部分もある。

 これまで、町内には出土品の収蔵庫が2カ所あった。このうち取り壊された敷地にあった収蔵庫はプレハブ平屋建て2棟(計約100平方メートル)。現在、この敷地は今春開園予定の民間保育園に転用され、第二大山崎小プールと学童保育施設は同小グラウンドと校舎に移設された。しかし、取り壊された収蔵庫の出土品は行き場を失ったまま。別のもう1カ所の収蔵庫も満杯状態で、中央公民館の本館ホールに仮置きが続いている。

 同公民館は15年に施設の一部の耐震不足が判明し、出土品を移す前の16年5月に同ホールなどが閉鎖された。町教委生涯学習課は「本来は住民の集う場所。出土品の収蔵には好ましくなかったが、閉鎖中は空きスペースになるため保管場所にした」とする。

 一方、住民のホール再開を望む声も多い。町では施設の再整備について検討しているが、具体的な方針は決まっていない。昨年12月の定例町議会の一般質問で、現状をただした大山崎クラブの島一嘉議員は「出土品をこのまま置いておけば公民館整備にも影響が出る。地震が起きれば文化財を失う危険もある」と心配する。

 増え続ける埋蔵文化財の保管と活用は乙訓地域でも課題だ。向日市や長岡京市では、元保育所など住民が利用しない公共施設や民間企業の倉庫を借りたりして保管スペースを捻出している。同生涯学習課は「埋蔵文化財は町の歴史を伝える大切な資源。有効活用するためにできるだけ早く保管場所を決めたい」としている。